亜龍湾 地上に落ちた天空
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亜龍湾 地上に落ちた天空

    三亜の日差しは強烈だ。満天に透き通った金属片のように、きらきらと光りながら、砂を打ち、石を弾き飛ばす。三亜そのものが日差しの音に包まれ、ちりんちりんと心地よく響く。三亜のすべては透き通り、山々は青さを増し、海水は透明になる。陽光が彼女を洗い流してくれるのだ。

    亜龍湾は静かだ。北面の山の地勢は緩やかで、様々な樹木が生い茂り、実に緑豊かである。台風の猛威に慣れているせいか、敢えて頭を出そうとはせず、謙譲気味に平らな形を呈しているが、豊かな表情をみせている。山の下は一望千里の平原。どこか青くてつやつやした太平な風景だ。月のような亜龍湾はここに眠っている。
 
    海の南側に浮かぶ3つの島。東から西に野猪島、東排島、西排島。小さな島だが、打ち寄せる洋々たる大波で隔てられ、海の中の海が形成されている。湾の面積は60平方キロ、9平方キロにわたって珊瑚礁地帯が広がっている。海水の透明度は10メートル以上。珊瑚礁は大小さまざま形もさまざまで、彩り豊かで美しい熱帯魚の心地よい住みかだ。
 
    亜龍湾はもともと「玡琅湾」と呼ばれていた。だが、この湾が発見されたとき、メディアが間違って「牙龍湾」と報じたことから、後に「亜龍湾」に改められた。「亜龍」と聞けば、アジアの竜の意味であることはすぐに分かる。多少なりとも政治論争的なにおいがなくもないが、横たわる山脈と海水に囲まれた静かな湾であり、過去の歴史を相手にすることもない。

    海水の透明度は最高の水準。深さはせいぜい胸のあたりまで。様々な熱帯魚を上に下に、また右に左に追いかけるのも一興だ。亜龍湾は地上に落ちた天空とも言えるだろう。果てしなく広く、深遠で、悠然としていて、明朗であり、透明で、軽やかでもあり……。ここでは人は、空中を逍遥する神仙なのである。
 
 
 

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